なるほど!ドクターコラム文藝春秋

浅井利夫先生

健康天気予報は質の高い生活を確立する“生きるための知恵”

ひとくちに病気といってもさまざま

2005年 4月号

浅井 利夫 先生
東京女子医科大学附属第二病院
スポーツ健康医学センター教授


「気象病」と「季節病」をご紹介します。

 ひとくちに病気といってもさまざまな現れ方で種々の症状が起こります。病気の数は、数万とも数十万ともいわれており、さらに年々新しい病気が発見されています。なかには医師でも聞いたことのない病気もあります。ここでは、昔から病気そのものはよく見聞きしていても、あまり知られていない「気象病」と「季節病」をご紹介します。

 「気象病」とは「気象の変化あるいは一定の気象条件によって症状が悪化したり、発作が誘発されたりする病気」と定義されています。具体的には、天気痛と呼ばれることもあるリウマチ性疾患、神経痛や気管支喘息などがあります。

 「季節病」とは「季節の移り変わりに際して、症状が悪化したり、多発したり、流行する病気」と定義されています。具体的には、春の花粉症、冬のインフルエンザや寒いときの心臓発作などがあります。


移り変わる天気、四季と自身の体調の変化などを見つめてみてはいかがでしょうか。

 気象現象と身体の関係を研究する『人体生気象学』という学問があります。歴史的にはドイツを中心に研究が始まり、日本では1962年に設立された日本生気象学会などで研究が進められています。

 人体生気象学は、先人の知恵を学問としたものといってもよく、“腰が痛いと雨が降る”などの経験を学問的に体系化したものです。人体生気象学は、先人の教えであり、『質の高い生活を確立する生きるための知恵』なのです。

 近代生活は反自然的環境に囲まれた生活です。移り変わる季節ごとに身体にかかる負担が異なり、日常生活で注意しなくてはならないこともあります。病気の予防や悪化を防ぐためにも、移り変わる天気、四季と自身の体調の変化、持病の変化などを見つめてみてはいかがでしょうか。